2017年オンブズマン活動(1)

上半期は吉田市長の市政の私物化を対象にして活動した。

議会で問題視された、猿島渡船の割引名刺配布問題(公選法違反)で、

オンブズマンとして司直の判断を仰ぐために、地検及び神奈川県警への告発を行った。

さて、そこで警察と司法について、告発行動で感じたことを披瀝したい。
4月に、割引券つきの名刺配布は公選法上の寄付行為に当たるので、使用の実態等
を捜査して欲しい旨の刑事告発をしに県警に行った。

ところで、一般市民は神奈川県警に行くことはないだろう。県警は各地にある所轄
署と違って、自由に立ち入ることは出来ない。
まず事前にアポを取らねばならない。OKになると指定時刻に受付に行く。アポなし
では入り口で「職務質問」を受けて追い返される。また電話で申し入れた段階から、
下調べもされる。

門を入っても1階受付で待たされ、担当官がきて会見場所に案内される。
帰るときも、受付まで「護送」的に見送られる。要するに県民が一人で歩き回れる
ところではない。

さて、肝心の告発についてであるが、警察官3人で対応したもの、告発は受け付け
られなかった。担当警察官によれば、新聞記事の類や、議会質疑などだけでは、

政治的に政敵を葬る事に利用されることを含め、慎重になる。もっと確たる証拠をもって
きて貰わねば、警察は動けない。と言うことで事実上の門前払い。

この名刺が使われたかどうかは、捜査権を持つ、警察が調べてくれなければ、一般
市民や議会では、調査は無理だから告発しに来たと言っても、まったく駄目。

これは「門前払い」ではないか、と聞いたら、時間を取って聞いているし、中に入
れたのだから門前払いではない、と屁理屈的回答だった。

司法権力の意志次第

直近の美濃加茂市、藤井市長の有罪確定にみるように、政治家に対する警察司法の
対応は権力の恣意がまかり通っている。

権力寄りである、メディアはこの冤罪事件を余り大きく取り上げていないが、全国
で最年少で市長となった藤井市長が、最高裁により刑を確定され、失職となる。

この「事件」は、別件で逮捕された業者が、検察に脅されたらしく、藤井市長が議
員時代に贈賄したとゲロしたことから始まる。市長は一貫して否定で一審では無罪と
なった。しかし検察は控訴して、ここから異様な司法となり、高裁で逆転有罪、更に
最高裁は上告理由を点検もせず上告棄却をした(詳しくはネットで検索して欲し
い)。

国家権力にあらがったり、自公体制を覆そうとした国会議員は、国策捜査であげら
れることがある。

小泉政権下では、鈴木宗男氏が長期拘留されたあげく、有罪判決を受け、最近よう
やく公民権停止が解けた。また09年の政権交代時には陸山会事件で小沢一郎氏が民
主党政権時代、ずっと検察による弾圧を受けた(結局無罪だが政治的抹殺である)。

また官僚支配による道州制導入反対や、福島原発に厳しい態度を取った、元福島県
知事佐藤栄佐久氏は、収賄額ゼロ円で有罪になった例を見るように、この国の司法は
本当に独裁国家並みにヒドくなっている。

要するに警察及び司法権力(法務省の検察官僚と最高裁-高裁地裁まで管理)か
ら、「この野郎、やっちまえ」と睨まれたら、冤罪をでっち上げられ、政治生命を奪
われる。

しかし権力から睨まれていなければ、お咎(とがめ)なしだ。市民の告発などま
ず、受けつけない(捜査すらしない)のである。

私達主権者国民は、この国の司法の実態を良く理解する必要がある。だから、総選
挙時に行われる最高裁判事(内閣-安倍が任命)の国民審査を疎かにしてはいけな
い。

主権者としての権利を大事にするという、自覚が必要であることを認識したい。

記事 一柳 洋