監査請求棄却

本年2月、横須賀市民オンブズマンは横須賀市が市体育協会に
支出した補助金の一部が不当であり、165万円の返還を求める
監査請求を行いました。

私たちの行った監査請求が棄却されました。
監査結果は、横須賀市の「監査のとびら」からインターネットで
見ることができますので、興味のある方はそちらをご覧ください。

その結果に対して、コメントします。

3つの課題に共通して言えることは、支出が惰性になっており、何ら反省が
されないまま、毎年支出されていることである。チェック機能がまったくない、
ということが最も大きな問題なのであり、市民の税金を支出するという緊張感を
もっと行政はもつべきである。

以下、各課題について、端的に指摘する。

1 アマチュアボクシング協会について

(監査請求)所属選手がいないのに支出するのは不当

(監査結果)所属選手がいなくても、スポーツの普及、振興に寄与している

(反論)たしかに「よこすかスポーツフェスタ」に参加してはいるが、
    決算書によれば、支出は「市民大会運営費」「渉外費」「協会運営費」
    だけである。

市民大会については、別途「市民大会委託費」「市民大会参加費等」が市から
支給されているから、補助金は「渉外費」と「協会運営費」に充てられる
はずである。

それぞれの金額は、134,744円、43,872円である。

すると、渉外費として多くが支出されているのであるが、その中身が不明である。
「よこすかスポーツフェスタ」に参加するのに、それ程金がかかると思えない。
この渉外費の中身について調査しなかったのは、監査の手落ちである。

2 モーターボート協会

(監査請求)競技会がない、スポーツか疑問なので、支出は不当

(監査結果)マリンスポーツの普及・振興や海難事故防止活動をしている
      スポーツの定義はたくさんある

(反論)海難事故防止活動への補助金なのであれば、
    スポーツ振興補助金ではなく、別の名目で支給すべきではないか。
    モーターボートをしている人口がそれほどとは思われないのに、
    補助金を支給できる枠が広すぎであり、予算の無駄遣いの感は
    ぬぐえない。

3 利益相反

(監査請求)議員が会長をしている協会への支出は利益相反で不当

(監査結果)議員が会長の協会に多く支出しているわけではなく、影響はない。
      名誉会長は、単なる名誉職である。

(反論)会長が議員であることで、減らすことへの抑止になっている可能性は
    ある。

いわゆる「忖度政治」を疑われる状態は、解消すべきである。

なお、体育協会自体も法人化を検討している、との指摘があった。

つまり、体育協会自身も、このままではいけないと自覚しているということで
あろう。

そうであるならば、監査委員会も直截に指摘すべきである。

私たちは、平成30年度分についての情報も開示請求したうえで再度監査請求を
行う予定である。