議員と有権者との関係は何か!

 その第1。議員は、主権者である有権者を代表して、議決権を行使するという
ことである。
 それに並行して行う事は、主権者代表なのであるから、市長と質疑を交わし、
自分を支持してくれた主権者の意見を政策に生かし、また実現させることである。
 勿論、議員は行政監視の任務もあるから、行政執行について質す。また場合に
よっては、議員提案で条例を提起することも重要な役割である。
 そこで、主権者代表として議決に関与できる議員は市政に関することなら、何でも聞けて、提案も出来る一般質問を、横須賀市議が任期4年の中で、どのようにしているかを調べた。
 当オンブズマンが、なぜ質問回数とその内容を問うかといえば、質問しないのでは、有権者は、選んだ議員が何を思って何したいのか、チェックのしようがないからである。どうか18才以上の有権者の皆さん、この記事を21日の投票の参考にして頂きたい。
 まずこの任期4年の間、1回も質問に立たなかった者は定数41名中、以下10名である。
 一般質問を1度もしなかった者 
 期数の多い順 敬称略 カッコ内は会派
 7期 山口道夫(市政同友)矢島真知子(無所属みらい)板橋 衛(公明)
 6期 角井 基(研政)伊東雅之(市政同友)
 4期 伊藤順一(市政同友)浜野正浩(無み→無会派)青木秀介(自民)
        伊関功滋(研政) 
 なお今年1月、議長在職中死去した木下氏もゼロに入る(これで10名)。 
板橋氏は2015年選挙後~2017年5月までは議長であった。
  
このうち山口、矢島、伊東、伊藤の4氏は今期で引退であるが、山口氏は過去1(28年間)回も一般質問はしていないはず(1990年代の発言通告が調べ切れない)。女性議員である矢島氏は1,2期目はネットで当選したので一般質問をして、無会派時代も割と質問していたが5期目以降、質問回数が減りここ2期8年は質問がない。
 他の2氏も今期だけでなく、一般質問は殆どしてこなかった。特に保守系でこの期数の特徴というか、悪しき慣行というか、伊東氏、伊藤両氏も現職中、殆ど一般質問していない。
多選議員ほど質問しなくなる
 中堅以降、質問しなくなったのは、今回も立候補して8期目をめざす板橋氏、
7期目をめざす角井氏も同様である。
 横須賀市議会では議長、副議長を意識すると質問に立たなくなる者が多い。
 いずれにしても5期以降のベテランになると質問が激減する。
 いや、本会議場で質問せずとも、市長や部課長と話して市民代表の役割を果た
していると弁明するかも知れないが、それを市民は密室政治というのである。
 多選の弊害についてこの頃、厳しい指摘がなくなっているが、有権者は選んだ
議員がどのように活動しているのか、質問の回数と内容を見て、選挙の判断
材料とすることを認識した方が良い。
12回の機会中1、2回しか質問しない者
 この4年の任期中、ゼロではないがそれに近い、1、2回しか質問に立たな
かった者も数名いる(一般質問機会は任期中12回ある)。いずれも保守系
 会派か公明で、無所属みらいでは、質問をよくする者とそうで無いものに
 2分される。研政でも同様傾向がある。
 共産の3名と、ネット、無会派での藤野氏は、ほぼ或いは毎議会質問に立って
 いる。
 要するに質問回数ゼロとか、極端に少ない者は、実現したい事もなく、故に
 政策にこだわりがなく、また、市政監視意識も薄いという指摘ができる。
 自民党は、かつては一般質問者が極めて少なかったが、吉田市長の8年間では
 吉田市長と対立したので質問者及び回数が増えた。その反動か、上地市長に
 なっての2018年以降、質問数は減じる傾向が見られる。
 この質問者及び回数の減少が、本来は地方議会にありえない「与党」意識から
 のことだったら、勘違いも甚だしいことになる。
質問内容のレベルアップ
 一般質問をまったくしないのは論外だが、毎回質問に立てば、すべて良いとも
 言えない。質問の内容が問われる。この4年を見ると中学給食実現のために課税自主権にふれたり、安倍政権下でまったく無視されている、分権推進と財源の移譲などについて、自治の本質に迫る肝心な質問がない。
 また上地市長に対して議員時代主張していた、地域主権論について市長となってどうするのか、同じくニューウイングで質問していた基地遺失利益論について主張が弱まっていることについては、もつと突っ込むべきではないかと感じる。
更に市民生活に直接関係ない高校野球についての質問だったり、あまねく市民に関係のないことであったり、また、これを一般質問に採り上げる問題かと思われるものもある。議員は培った教養の上に、信託された職務を遂行するために知見、情報を得て思考し、有権者がなるほどと思ったり、よくぞ聞いてくれたと思う質問に心がけるべきだ。
有権者も選挙したら後は関心なしではなく、自分の代理である議員の議会活動に関心を持つべきだ。

いずれにしても、横須賀市議会は公開度が高く、質問回数と内容は市議会のホームページ(質問の録画も見られる)で簡単にみることが出来る。
この候補が当選して議員として職責を果たせるのか、主権者である自分の意見を託しうるのか、良く吟味して投票していただきたい。
なお更に詳しいことをお知りになりたい方は、どうぞメールにて問い合わせていただきたい。