市議会傍聴自粛要請への声明
横須賀市議会議員及び市民の皆様へ
私たちは21日発表された市議会への傍聴自粛通告について、以下声明を
発表します。
市民への傍聴自粛通知には『横須賀市議会は傍聴にお越し下さる皆様の
健康を守る観点から、新型コロナウイルス感染拡大の影響が収束される
までの間、議会の傍聴をご遠慮いただきますようお願いいたします』として
予算議会の本会議、委員会の傍聴をさせないことにしました。
この文章を読んで感ずることは「お越し下さる皆様」として主権者・
傍聴者を観客扱いしている書き方です。
市民は市議会のお客様ではありません。
そして横須賀市内で感染が広がったり、市役所や議会内での感染者が
出ていないにも拘わらず即、傍聴自粛を求めたのは拙速の感があります。
傍聴は主権者の参政権でもあり、主権者の知る権利の保証でもあります。
そもそも市議会は主権者が自らの意志を議会で現してくれる代表を選び、
当選した者が主権者代表として主権の行使をするものです。
ですから主権者の前で公開を原則に議論を交わすと言うことが、議会
論議の鉄則です。
議会傍聴は主権者市民にとり、代表者が適切に主権の行使をしているか
否かを見る重要な機会です。
このことに自粛を求めるには重大な合理的理由が必要です。
今般の新型コロナウイルス対応については、横須賀市内で感染が広がって
いる事情がないのですから、段階的対応が取れたと思います。
ネット中継を見てとありますが、ネット中継では発言者しか見られず、
他の議員等が何をしているか(居眠りしている等)審議模様の全容が
見られません。
横須賀市議会は今でこそ公開が進んだ議会として全国で認知されて
いますが、4半世紀前までは情報公開条例もなく、市議会も委員会傍聴を
許さず、また委員会審査時の委員は氏名でなく番号で呼ぶなど、
開かれた議会ではありませんでした。
今回の自粛要請は議会公開に道を開いた先人の努力を、どのように評価
したのかという疑問も感じる次第です。
また自粛要請文からは苦渋の選択であるとの思いが感じられません。
特に『傍聴に来る皆様の健康を守る観点』とあるのは矮小化している
ように感じます。
今までにない感染症に対して、市内での大量感染を防ぐという為の緊急
措置であるとの大局的見地からの決定でないように感じられるのは誠に
残念です。
保健所設置である市議会の役割
次いで、新型コロナウイルスに対しての議会論議の必要性について
述べます。
前例のない感染症で、市民が不安な状態におかれていることに、保健所
設置市である本市として、有効かつ具体的な市民へのメッセージがない
(HPをみても)ことです。
自治体の任務は市民への日常的暮らしの保証です。
まして本市は1944年より保健所設置市(48年に県から市に移管)で、
二つの市民病院を持ちます。
すでに新型肺炎感染で経済的な損失が懸念される事態になっています。
市民への命と暮らしの保証のために、市議会は特別委の設置や、連合審査を
するなどして、保健所設置市のメリットを市民に示し、感染不安の 解消と
検査、診療の保証や、今後おこる経済混乱への対応策について論議するなど、
市民の信託に応える対応を要請します。
以上
2020年2月28日
横須賀市民オンブズマン代表 一柳 洋