昨年秋、横須賀ボクシング協会には、6年ほど前から選手がいないのに、
市から補助金が交付されているとの告発が、当オンブズマン宛に行われた。
早速、調べだしたが、単に一構成団体の不可解問題だけでなく、体育協会と
市の関係は全くのずぶずぶの関係で、市民税から交付されている補助金なのに、
使われ方はノーチエックであること。
なにより問題は予算を執行する市長部局のスポーツ推進課が、協会の事務局を
務めているのである。
ようするに民間団体の集まりの協会を、市直営で運営している事になる。
そして支払う側の市長が名誉職とはいえ、この協会の会長を務めている。
支払う側と貰う側が同じ人物なのである。
会長は自民県議だが、政治家である。
組織の有り様が役所がやってはいけない利益相反である。
※利益相反とは、政治家、経営者、弁護士などのように、信任を得て職務を
行う地位にある人物が、その立場上追求すべき利益・目的(利害関心)と、
その人物が他にも有している立場や個人としての利益(利害関心)とが、
相反している状態をいう。
ようするに市民のための行政サービスを行う市は、公私混同してはならない
と言うことである。
市体育協会の加盟団体は当然のことながら、任意のスポーツ団体である。
それなのに名誉会長は市長であり、所在は市庁舎になっている。
名簿を見ると会長は竹内県議(自民)でカヌー協会の会長を務める。
構成団体数は39団体で年間670万円の補助金が交付されている。
(他に市民大会委託金や参加費が交付されている)
かつて観光協会は関係を整理した。
今回の問題は5年前に改組された観光協会と同じ構図である。
長年、市観光協会は市長が利益相反の会長を務めており、各地の観光協会も
実質は連合町内会や地元商店会が務めており、各地域の観光協会の実態は
役所におんぶにだっこであった。
これについては10年ほど前に議会から利益相反が指摘され、これでは
市観光の活性化は覚束ないから、完全独立させよと提案された。
吉田市長は既成勢力蒲谷市長への対抗策として、観光協会改革することを
選挙公約にし、ようやく5年前に法人化された。
体育協会は下記のように8団体もの会長が市議を務めるために、市議会では
利益相反問題が指摘されてこなかった。
これも行政監視の市議会として職務怠慢と当オンブズマンは指摘したい。
会長や役職を務めているのは自民か自称保守系ばかりだ。
他会派や吉田市長系の会派は、なぜこの利益相反で、市議が8人も会長を
務めていることを問わないのか。馴れ合い市議会ではなく、公金の支払いには、
けじめをつけて行えと執行部を質すべきであろう。
さて市議が会長を務める団体は以下の通りである。
合気道連盟 浜野雅浩
アーチェリー協会 南將美
少林寺拳法協会 田辺昭人
スポーツチャンバラ協会 渡辺光一
ソフトボール協会 青木哲正
太極拳協会 山口道夫
ボウリング協会 大野忠之
ライフル射撃協会 杉田惺
山口、杉田氏以外は6名は自民党である(党員でもある)
牧島竹内の両自民県議が会長を務めるのも2団体ある。要するに公金が
交付されている団体の長が一党一派に偏っている。
行政の不偏不党、行政の公平性、透明性から見て看過できない。
そこで近々、利益相反団体への補助金交付は公金の不当、不法の支払い
であるから返還を求めるなどの、住民監査請求をオンブズマンとして
行うつもりである。