百条委員会 総括
【経緯】
昨年9月、地方自治法98条に基づく検査特別委員会設置後「より強力な調査権や告発権をもつ
百条委員会にすべきである」と議会が議決し、百条委員会が設けられた。
その後、百条委員会は24回開催され、吉田雄人市長はじめ延べ36人の証人喚問が行われた。
10月4日、最終百条委員会が開かれ、吉田市長が市議会で虚偽の答弁をしたと指摘された問題
など「一連の不透明な市政運営が公明性・公正性を欠き、市民の信頼を大きく損ねた」とする最終 報告書案がまとめられ、委員会は終結した。
併せて、吉田市長ら3人に百条委の証人喚問で虚偽の証言があったとし、同法違反(偽証)の疑いで 刑事告発することが盛り込まれ、14日に開催された本会議で刑事告発が議決された。
開催された委員会の80%以上を傍聴した体験、ならびに1年余、百条委員会に出席された2名の 議員にインタビューしてお聴きしたことをもとに、百条委員会の総括を以下にまとめた。
なお、百条委員会で取り上げられた疑惑は以下の3点。
・帆船「日本丸」招致の経緯に関する疑惑
・市長への献金者を市職員として採用した疑惑
・市の全額出資法人「シティサポート横須賀」の営業疑惑
【総括意見】
① 委員会閉会後の木下憲司委員長の総括コメント
「市長の資質や行政の事なかれの姿勢にメスが入った。自浄作用が必要。これで市政が良く
なれば、委員会の責務は果たせた」
「一連の事件は、公明性・公平性を欠き、市民の信頼を大きく損ねるもので、市長はじめ執行部 は、このことを自覚して、問題点の指摘を真摯に受け止め、市政への信頼回復に努められること を願うものです」(よこすか市議会だより)
② ヒアリングした議員おふたりの総括意見
・百条委は行政の不透明な事務執行の実態を明らかにすることで、チェック機能を果たし、市長 の市政運営に対し多くの問題点を投げかけた。
一方、調査の限界は認めざるを得なく「トップの資質を問う」という核心部分に迫るには残念 ながら至らなかった。市職員にも口裏を合わせられた。
焦点とされた市長の偽証認定を巡る採決でも、各委員の判断が分かれた。
・虚偽発言をさせて、偽証を暴き、告発することが百条の本来の姿。
議会には何を言ってもいいとする市長の態度、ごまかしても嘘をついても逃げられるとする
市長の姿勢、加えて、裏付け不足も否めず、突破は容易ではなかった。
・刑事告発が不起訴に終わった場合、検察審査会に異議申し立てを行う。